西部劇映画『トゥームストーン』での名台詞「I'm your Huckleberry(俺が相手だ)」で知られるドク・ホリデイ。彼は元歯科医(ドクター)というインテリジェンスな経歴を持ちながら、不治の病である結核に侵され、死に場所を求めて西部を彷徨った破滅的なガンマンです。酒とギャンブル、そして銃撃戦に明け暮れた彼の人生は、ワイアット・アープとの友情によって彩られています。
ワイアット・アープとの奇妙な友情
正反対の二人
法と規律を重んじる厳格な保安官ワイアット・アープと、その日暮らしで奔放なギャンブラーであるドク。水と油のように見えるこの二人は、テキサスの酒場でドクがワイアットの窮地を救って以来、不可思議なほど深い絆で結ばれました。運命の「OK牧場の決闘」の前、ワイアットは病身のドクに関わらないよう忠告しましたが、ドクは「これこそ私が求めていたことだ」と答え、死線への同行を志願しました。
最速にして最強
結核の発作に苦しみ、激しく咳き込みながらも、彼の射撃の腕は西部随一の正確さを誇りました。ニッケルメッキのコルト・リボルバーを操り、また時にはコートの下に隠し持ったショットガンで、喧嘩を売ってきた無法者たちを次々と返り討ちにしました。彼の存在は、敵対するカウボーイズたちにとって死神そのものでした。
皮肉な最期と最期の言葉
ベッドの上での死
数々の修羅場をくぐり抜け、銃撃戦の中で華々しく散ることを望んでいた彼ですが、皮肉にも最期はコロラド州グレンウッド・スプリングスのサナトリウム(療養所)のベッドの上で迎えました。死の間際、彼は自分の素足を見て(当時のガンマンにとって、ブーツを履いたまま死ぬことが戦士としての誉れでした)、看護師に頼んでウイスキーを一杯飲み干すと、「こいつは笑える(This is funny)」と言い残して息を引き取りました。享年36歳。その虚無的でありながらどこかユーモアを感じさせる最期は、彼の人生そのものを象徴しています。
まとめ
死と隣り合わせの人生を駆け抜けたドク・ホリデイ。その虚無的でインテリジェンス溢れるキャラクターは、多くの映画や小説で愛され続けています。