神出鬼没、変幻自在。どんな厳重な警備も嘲笑うかのように盗み出し、悪人を懲らしめ、女性には優しい。フランスが生んだ「怪盗紳士」アルセーヌ・ルパン。推理力と行動力を兼ね備えた、ピカレスク・ロマンの頂点。
アルセーヌ・ルパンとはどのような人物か?
モーリス・ルブランの小説シリーズの主人公です。富裕層から宝石や美術品を盗み出す泥棒ですが、殺人などの野蛮な行いは嫌い、困っている人を助ける義賊的な側面も持ちます。卓越した変装技術を持ち、顔や声だけでなく筆跡まで変えることができるため、誰も彼の真の素顔を知りません。時には探偵として難事件を解決することもあります。
伝説とエピソード
ホームズとの対決
原作者ルブランは、ルパンのライバルとして「シャーロック・ホームズ」を登場させました(著作権の問題で後に「エルロック・ショルメ」等と改名)。作中ではルパンが知恵とトリックで名探偵を翻弄し、一歩も譲らない戦いを繰り広げます。これは当時の英仏関係や、探偵小説ブームへの対抗意識が反映されています。
奇巌城
彼の隠れ家であり最大の宝物庫であるエトルタの「奇巌城」。フランス全土から集めた秘宝が眠るこの場所は、彼の王としての威厳と孤独を象徴しています。
現代作品での登場・影響
ルパン三世
日本ではモンキー・パンチの『ルパン三世』の祖父としてあまりにも有名です。三世のコミカルながらも決めるときは決める性格は、初代譲りのものです。
怪盗のテンプレート
予告状を出して盗む、シルクハットにマント、ライバルの警部との追いかけっこ。これらの「怪盗」の標準的なイメージは、ほぼルパンによって確立されました。
【考察】その強さと本質
自由への渇望
彼はなぜ盗むのか。金のためだけではありません。社会のルールや権威を嘲笑い、自らの能力を証明する「ゲーム」として楽しんでいる節があります。彼は法に縛られない絶対的な自由人なのです。
まとめ
今宵もまた、彼は獲物を狙って闇を駆ける。私たちが気づいた時には、宝石と共に彼の姿は消え失せ、一輪の薔薇とカードだけが残されているでしょう。