雷神トールにならぶ怪力の持ち主でありながら、ほとんど言葉を発しない「沈黙の神」ヴィーザル。彼はラグナロクにおいて、父オーディンの仇を討つという重大な使命を背負っていました。
ヴィーザルとはどのような神か?
ヴィーザルはオーディンと巨人グリズの間に生まれた神です。森の奥深くで静かに暮らし、来るべき最終戦争ラグナロクのために力を蓄えていました。彼は非常に厚い靴(あるいは鉄の靴)を履いているのが特徴で、これは運命の戦いで重要な役割を果たします。普段は物静かですが、その腕力はアース神族の中でもトールに次ぐと言われています。
神話での伝説とエピソード
フェンリル討伐
世界の終末ラグナロクにて、父である最高神オーディンが巨狼フェンリルに飲み込まれて死んだ直後、ヴィーザルは戦場に姿を現します。彼はフェンリルの下顎をその頑丈な靴で踏みつけ、上顎を手で掴んで引き裂き(あるいは剣で心臓を刺して)、神々を恐怖させた怪物を絶命させました。この瞬間のために、彼は長い間準備をしていたのです。
新世界の再建
ヴィーザルは、炎の巨人スルトによって世界が焼き尽くされた後も生き残る数少ない神の一人です。彼は異母兄弟のヴァーリや、トールの息子たちと共に、緑が蘇った新しい世界で神殿を再建し、次代を担う役割を果たします。
現代作品での登場・影響
革の再利用と靴
彼の靴は、人間たちが靴を作る際に切り落とした革の切れ端を集めて作られたとされています。北欧の人々は、ヴィーザルを助けるために、靴を作る際に出る端切れを捨てる(捧げる)習慣がありました。これはリサイクルや物を大切にする精神の表れでもあります。
ゲームへの影響
『遊戯王』や『ヴァルキリープロファイル』などで、復讐者や寡黙な戦士として登場し、高い戦闘力を持つキャラクターとして描かれます。
【考察】その強さと本質
静かなる怒りと再生
言葉少なな性格は、復讐という重い目的を遂行するための決意の表れだったのかもしれません。また、森の神としての側面は、破滅の後の自然の再生を象徴しています。
まとめ
沈黙のうちに父の無念を晴らし、未来へと命を繋いだヴィーザル。派手さはありませんが、彼こそがラグナロクの真の勝利者であり、英雄と呼べる存在です。