「阿吽の呼吸」という言葉の語源にもなっている仁王様。お寺の山門で怖い顔をして立っている彼らは、仏敵が境内に入らないように見張っているガードマンです。その筋骨隆々とした姿は、見るだけで邪気を払う力強さに満ちています。
阿形と吽形
始まりと終わり
口を開けた阿形(あぎょう)は「あ」=物事の始まりを、口を閉じた吽形(うんぎょう)は「ん」=物事の終わりを表しています。つまり二人で「宇宙のすべて」を象徴しているのです。これはサンスクリット語の「ア」と「フーム」に由来し、仏教哲学の深淵な真理を体現しています。
ギリシャからの旅人
ヘラクレスがルーツ?
仁王(執金剛神)の元をたどると、インドでブッダを守護していたヴァジュラパーニに行き着きます。さらにその姿は、アレクサンダー大王の東征によって伝わったギリシャ神話の英雄ヘラクレスの影響を受けていると言われます。筋骨隆々の肉体美は、ギリシャ彫刻のDNAなのかもしれません。遠く離れたギリシャの英雄が、仏教の守護神となって日本の寺院に立っているというのは驚きであり、文化の架け橋を感じさせます。
まとめ
仁王様は、単なる門番ではありません。シルクロードを経て伝わった東西文化融合のシンボルであり、力強く生きるためのエネルギーの塊なのです。お寺に行ったら、ぜひ彼らの筋肉美と、その奥にある歴史ロマンを感じてください。