戦場にカラスの姿で現れ、兵士たちに死と勝利を告げる恐ろしき戦いの女神モリガン。英雄クー・フーリンとの悲恋(?)でも知られる、ケルト神話のダークヒロインです。
モリガンとはどのような神か?
モリガン(モリグー)は、「大いなる女王」または「幻影の女王」を意味する名の女神です。彼女はしばしばマッハ、ネヴァン(またはバズヴ)と共に「戦いの三女神(バイヴ・カハ)」の一柱、あるいは三人の総称として扱われます。戦場の上空を飛び回り、魔法や予言で敵を恐怖させ、味方を鼓舞して勝敗を操作します。彼女「死」そのものではなく、死の運命を司る存在です。
神話での伝説とエピソード
クー・フーリンへの求愛と復讐
モリガンは若き英雄クー・フーリンに恋をし、美しい娘の姿で求愛しましたが、クー・フーリンは戦いの最中であることを理由に(あるいは彼女の正体に気づいて)冷たく断りました。プライドを傷つけられたモリガンは、ウナギや狼、牝牛に変身して彼を妨害しましたが、返り討ちに遭いました。傷ついた彼女を、正体を知らずにクー・フーリンが治療したことで一時和解しましたが、最終的に彼が死ぬ時、彼女はカラスとなってその肩に止まり、彼の最期を見届けたとされています。
川での洗濯
彼女はまた、川で血まみれの鎧や衣服を洗う「洗い場の女」としても現れます。もし戦士が、自分の鎧を彼女が洗っているのを見てしまったら、それはその戦士が間もなく死ぬという予兆(死の宣告)です。
現代作品での登場・影響
格闘ゲーム
『ヴァンパイア』シリーズのモリガン・アーンスランドは、この女神の名を冠したサキュバスですが、コウモリの翼を持つセクシーな姿で世界的に有名になりました。名前の由来以外の直接的な関連は薄いですが、「夜」「魔女」「強さ」というイメージは共通しています。
【考察】その強さと本質
戦争の狂気と運命
モリガンは戦争の残酷さと、そこ逃れられない死の運命を具現化した存在です。彼女がカラスとして描かれるのは、戦場の死体を啄むカラスの姿が死の象徴だったからです。
まとめ
黒き翼で空を舞い、英雄の死を見つめる女神モリガン。彼女の愛を得ることは、破滅への入り口なのかもしれません。