「善き神(ダグザ)」という名を持つ、ケルト神話のトゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の父にして王。巨大な棍棒と、尽きることのない魔法の大釜を持つ、力強くも愛嬌のある神様です。
ダグザとはどのような神か?
ダグザはアイルランド神話におけるダーナ神族の最高神の一柱であり、知恵、魔法、戦闘、豊穣などあらゆる技能に精通しているため「万能の神(Eochaid Ollathair)」とも呼ばれます。短いチュニックを着た大男として描かれ、生と死を操る巨大な棍棒と、どれだけ食べても食料が尽きない「魔法の大釜(後の聖杯伝説の原型の一つ)」を持っています。彼は偉大な戦士でありながら、どこか滑稽で親しみやすいエピソードも多く持っています。
神話での伝説とエピソード
生と死の棍棒
彼が持つ巨大な棍棒は、片方で殴れば敵を即死させ、もう片方で触れれば死者を生き返らせることができるという凄まじい武器です。これは自然界における生と死のサイクルを象徴しています。
魔法のハープと季節
ダグザは「ウァルニェ」という魔法のハープも持っており、これを奏でることで季節を変えたり、人々を笑わせたり、泣かせたり、眠らせたりすることができました。ある時フォモール族にハープを盗まれますが、彼は音色を呼び寄せることで敵を翻弄し、取り戻しました。
恥辱のおかゆ
フォモール族との戦いの前、彼は敵の陣地で和平交渉として無理やり大量の「ミルクと小麦粉と脂身のおかゆ」を食べさせられました。地面に掘った穴一杯のおかゆを平らげた彼は、腹がパンパンに膨れ上がり、その格好でビッコを引きながら歩いたため、敵に嘲笑されました。しかしこれは、大地の豊穣を体内に取り込む儀式的な意味合いもあったと解釈されています。
現代作品での登場・影響
メガテンでの活躍
『真・女神転生IV FINAL』では、主人公を蘇らせて契約を結ぶ重要なパートナーとして登場。「神殺し」を教唆する、ニヒルで強力な老紳士風のキャラクターとして描かれました。
【考察】その強さと本質
豊穣と力の融合
気取った王ではなく、泥臭く、食欲旺盛で、生命力に溢れたダグザの姿は、古代ケルトの人々が理想とした「たくましい生命の父」そのものです。
まとめ
棍棒一振りで敵を倒し、大釜で皆を満腹にするダグザ。強さと優しさ、そしてユーモアを兼ね備えた、頼れる親父神です。