新薬師寺の十二神将像の中で、最も有名で人気があるのが**伐折羅大将(ばさらたいしょう)**です。髪を逆立て、目を見開き、剣を振りかざして叫んでいるようなその姿は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。「バサラ」という言葉は、後に常識に縛られない自由な振る舞いを指すようにもなりました。
名前の意味
金剛石の如く
「伐折羅(Vajra)」は、サンスクリット語でダイヤモンドや雷(金剛杵)を意味します。あらゆる物質の中で最も硬く、あらゆる煩悩や障害を打ち砕く最強の力の象徴です。その力強さこそが伐折羅大将の本質です。
アートとしての評価
怒りの表現
仏像においては、宮比羅大将と並んで十二神将の代表格として扱われます。特に新薬師寺の塑像は、怒りの表情(忿怒相)の傑作とされ、血管が浮き出るほどの迫真の造形美で知られています。
干支との関係
丑または戌
干支の割り当ては寺院によって異なりますが、「丑(うし)」や「戌(いぬ)」の守護神とされることが多いです。自身の担当する時間を警護し、薬師如来の慈悲を妨げる者を決して許しません。
まとめ
ただ怒っているのではなく、その怒りは人々を救いたいという熱い想いの裏返しです。伐折羅大将のエネルギーは、困難に立ち向かう私たちに強い勇気を与えてくれます。