メギストテリウム(Megistotherium)は、中新世のアフリカに生息していた肉歯目(ヒエノドンの仲間)の巨大捕食者です。その名前は「最大級の獣」を意味します。陸生肉食哺乳類としては史上最大級の頭骨を持っており、ホッキョクグマや巨大なトラをも凌駕するサイズとパワーを誇っていました。
骨を砕く破壊神
頭骨の長さは66センチを超え、幅も広く強大でした。咬合力(噛む力)の推定値は凄まじく、現在のアフリカ最強の捕食者であるライオンやハイエナを遥かに上回っていました。彼らはマストドンのようなゾウの仲間や、サイの仲間といった超大型の草食獣さえも獲物にし、その太い骨を噛み砕いて骨髄を啜っていたと考えられます。彼らの前では、どんな装甲も無意味だったかもしれません。
肉歯目の頂点
メギストテリウムは「肉歯目」という、今の食肉目(ネコやイヌ)とは異なる絶滅したグループに属します。肉歯目は長らく地上の支配者でしたが、メギストテリウムはその進化の最終形態とも言える存在でした。しかし、脳の容積が比較的小さかったことや、より俊敏で知能の高い食肉目との競争、気候変動などが原因で、やがて衰退していきました。
サハラの支配者
化石はエジプトやリビアなど、現在のサハラ砂漠周辺で見つかっています。当時は豊かなサバンナやマングローブの森が広がっており、巨大な獲物が溢れる楽園でした。メギストテリウムはこの豊かな環境が生み出した怪物でした。
まとめ
メギストテリウムは、「哺乳類がいかに恐ろしく進化できるか」を示す最大級の証拠です。その巨大な頭骨は、かつてのアフリカに君臨した絶対王者の力を無言で語っています。