メガロケロス(Megaloceros)は、更新世のユーラシア大陸に広く分布していた、史上最大のシカです。通称「オオツノジカ(ギガンテウスオオツノジカ)」と呼ばれます。最大の特徴は、左右の幅が3.6メートル、重さが40キログラムにも達する、巨大な掌状の角です。
過剰なまでの角
この巨大な角はオスだけが持ち、毎年生え変わっていました。これを作るには莫大なカルシウムとリンが必要であり、栄養状態の良い強靭なオスしか立派な角を持てませんでした。これはメスへの究極のアピール(ハンディキャップ理論)であり、性淘汰の好例として知られます。
角が原因で絶滅?
かつては「角が大きくなりすぎて森の中で動けなくなった」ことが絶滅原因だと信じられていましたが、最新の研究では、気候変動による植生の変化で、角の成長に必要な栄養価の高い植物が不足したことが主因だとされています。森が増えたことで移動が制限されたのも一因でしょう。
人類との遭遇
ラスコーやショーヴェなどの洞窟壁画にその姿が描かれています。初期の人類は彼らの荘厳な姿を見て、食料としてだけでなく、信仰の対象としても崇めていたのかもしれません。
まとめ
メガロケロスは、進化の暴走とも言える美しさを持った生物です。その角は、種を繁栄させると同時に、滅びへと導く諸刃の剣だったのかもしれません。