ヒロノムス(Hylonomus)は、一見すると現代の小さなトカゲと変わりませんが、脊椎動物の歴史において極めて重要な存在です。「森のネズミ」を意味するその名は、彼らが知られる限り最古の「真の爬虫類」であることを示唆しています。
革命的な卵
彼らの最大の革新は「硬い殻のある卵(羊膜卵)」でした。これにより、両生類のように水中で産卵する必要がなくなり、乾燥した内陸部へと生活圏を広げることが可能になりました。
森のハンター
鋭く小さな歯を持っており、同時代の巨大な昆虫や節足動物の幼生、無脊椎動物などを食べていたと考えられます。巨大昆虫が支配する石炭紀の森で、ひっそりと、しかし確実に勢力を広げていました。
切り株の中の化石
ヒロノムスの化石は、石炭紀の巨大なシダ植物(レピドデンドロンなど)の幹の空洞からよく発見されます。これは彼らが木の根元を巣穴にしていたか、あるいは穴に落ちて出られなくなったためだと推測されています。
まとめ
ヒロノムスがいなければ、後の恐竜も、鳥も、我々哺乳類も存在しなかったかもしれません。彼らこそが、真の意味での「陸上の征服者」の始祖なのです。