戦いの太鼓が鳴り止み、恵みの雨が大地を湿らせる時、ハワイにはロノの季節が訪れます。ロノは平和、豊穣、音楽、そしてスポーツを司る愛すべき神であり、ハワイ四大神の中でも特に民衆に親しまれてきました。彼の到来は争いの一時停止を意味し、人々は武器を置いて祝宴を開き、フラを踊り、競技に興じます。白いカパ布(樹皮布)は彼のシンボルであり、雨雲や雲の形となって空を漂うとも言われています。キャプテン・クックの来航と悲劇的な最期にも深く関わる、歴史的にも重要な神です。
平和の祭典マカヒキ
4ヶ月の休戦
ロノの最も重要な役割は、収穫祭「マカヒキ」の主宰です。冬の訪れと共にプレアデス星団が空に昇ると、クー(戦神)の支配が終わり、ロノの支配が始まります。この期間、ハワイ全土で戦争は厳禁とされ、王も民も等しく祭り、スポーツ、賭け事を楽しみました。
巡回する神
マカヒキの間、ロノの象徴である白い布を掛けたT字型の棒が島中を練り歩きました。人々はこの行列に供物を捧げ、その年の豊作を感謝し、来年の繁栄を祈りました。この行列が通過する時、すべての人々は地面にひれ伏して神聖な力を敬ったのです。
伝説と悲劇の誤解
妻への愛と後悔
神話によると、かつてロノは人間の女性カイキラニと恋に落ちて結婚しました。しかし、ある男の讒言を信じて嫉妬に狂い、愛する妻を殺してしまいます。正気に戻った彼は深く絶望し、「いつか食料を満載した『動く島』に乗って戻ってくる」と言い残して去っていきました。
キャプテン・クックの最期
1778年、イギリスの探検家キャプテン・クックが巨大な帆船でハワイに来航した際、その白い帆がロノの象徴に見えたことや、来航時期がマカヒキの最中だったことから、彼は「ロノの再来」と誤認され、熱狂的に歓迎されました。しかし、後に彼が人間であることが露呈し、結果として殺害されるという歴史的な悲劇を生む原因ともなりました。
まとめ
ロノは、平和がいかに尊く、そして脆いものであるかを教えてくれます。雨上がりの虹や、風になびく白い雲を見る時、ハワイの人々は今もこの優しき豊穣の神の微笑みを思い出すのです。