クラッシギリヌス(Crassigyrinus)は、石炭紀(約3億4000万年前)のスコットランドに生息していた、謎めいた原始的な四足動物(または両生類)です。学名は「厚いオタマジャクシ」を意味します。その名の通り、両生類と魚類の特徴を奇妙に併せ持ち、進化の系統樹のどこに位置するのか今も議論が続いています。
沼地の怪物
全長は約2メートル。巨大な頭部と長い体を持っていましたが、四肢は極端に小さく退化しており、陸上を歩くことは不可能でした。その姿は、手足の生えた巨大なウツボか、巨大なオタマジャクシのようだったでしょう。眼は大きく、濁った沼水の中でも視力が効いたと考えられます。
二次的な水生適応
四肢動物の祖先から進化しましたが、再び完全な水中生活に戻った(二次的に水生化した)生物だと考えられています。強力な顎には2列の鋭い歯が並んでおり、当時の沼地や湿地帯の生態系における頂点捕食者として、魚や他の両生類を襲っていました。
進化のミステリー
非常に原始的な特徴(魚に近い頭骨など)と、進化した特徴が混在しており、分類が難しい生物です。酸素濃度の高かった石炭紀の環境に適応した、独自の進化実験の一つと言えるでしょう。
まとめ
クラッシギリヌスは、古代の沼地に潜んでいたグロテスクな支配者です。進化は常に「前進」するわけではなく、環境に合わせて自在に変化することを示しています。