アカントステガ(Acanthostega)は、約3億6500万年前のデボン紀後期に生息していた、最初期の四足動物の一つです。グリーンランドで化石が発見されました。魚類から両生類へと進化する過程の非常に重要な段階を示しており、かつては「陸に上がった最初の動物」候補と考えられていましたが、詳細な研究の結果、四肢を持ちながらも完全な水中生活を送っていたことが判明しました。
8本の指を持つ手足
アカントステガの最大の特徴は、前足に8本、後足にもおそらく8本の指を持っていたことです。現在の四足動物(ヒトを含む)の指は基本的に5本ですが、進化の初期段階ではこの数は定まっておらず、多様な試行錯誤が行われていた証拠です。彼らの手足は体重を支えるための構造にはなっておらず、ヒレの代わりとして水草をかき分けたり、泥の上を這ったりするための「パドル」として機能していました。
水中の待ち伏せハンター
エラ呼吸の痕跡が頭骨にはっきりと残っており、一生を水中で過ごしていたと考えられます。浅い沼地や川の岸辺に潜み、近づいてくる魚や無脊椎動物を捕食していました。顎の噛み合わせは獲物を吸い込むよりも噛み付くのに適しており、陸上の昆虫を水面から襲っていた可能性もあります。
テトラポッドの起源
彼らの存在は、「足は陸を歩くために進化した」という定説を覆しました。足はまず水中で移動するために進化し、それが後にたまたま陸上進出に役立ったのです(前適応)。アカントステガは、脊椎動物が海から陸へ生活圏を広げる壮大なドラマの、まさに序章を演じた生物です。
まとめ
アカントステガは、私たちの遠い祖先がどのような姿で、どのような環境で四肢を獲得したのかを教えてくれる貴重な化石です。その多指の手足は、進化の可能性の豊かさを象徴しています。