雷神トールの轟音と共に空を駆ける戦車。それを引いているのは馬ではなく、2頭の屈強な山羊です。彼らの名はタングリスニル(歯をむき出しにする者)とタングニョースト(歯ぎしりする者)。彼らは世界最強の「非常食兼エンジン」でした。
究極のサステナブルフード
食べて、蘇る
トールが旅先で空腹になると、彼はこの山羊たちを殺して調理し、その肉を夕食として振る舞いました。そして食後、骨を皮の上に集めてミョルニルを振るうと、翌朝には2頭とも完全に蘇り、再び元気に戦車を引くのです。
骨を折るべからず
足の不自由な山羊
ある時、トールの宿を借りた農民の子供(シャールヴィ)が骨髄を吸おうとして脚の骨を折ってしまいました。翌朝蘇った山羊の脚がびっこを引いているのを見てトールは激怒しました。このエピソードは、自然の恵みを享受する際のルール(種を絶やさない、無駄に傷つけない)を示唆しています。
まとめ
彼らは神の強大な力の源でありながら、生命の循環と再生の神秘を体現する、北欧神話独特のユーモアと残酷さが混じり合った存在です。