「お前、今怖いと思ったな?」山小屋で休んでいると、突然現れた怪物があなたの心を読み上げてくる…。そんな精神的な恐怖を与える妖怪が「サトリ」です。しかし、最強に見える読心術にも、意外な弱点がありました。
サトリの民話
思考の先読み
山奥で炭焼きや木こりが働いていて、ふと休憩していると、突然サトリが現れて焚き火にあたり始めます。驚いた人間が「なんだこいつは、殺してやろうか」などと心の中で考えると、サトリはすかさず「お前、今俺を殺そうと思っているな」と言い当ててしまいます。「恐ろしい、逃げよう」と考えれば「逃げようとしているな」と言い、「仕事を早く終わらせたい」と考えれば「仕事を終わらせたいと思っているな」と、全ての思考を声に出して読み上げます。人間は心を読まれる恐怖で身動きが取れなくなってしまいます。
弱点は「無心」の偶然
ある時、驚いた木こりが作業中に、偶然焚き火の木片や石がパチンと弾けて、サトリの顔や目に当たりました。これは木こり自身も全く予想していなかった(考えていなかった)偶発的な出来事だったため、サトリは直前まで心を読めませんでした。「人間というのは、思ってもいないことを不意にするから恐ろしい」と言い残して、サトリは慌てて山へ逃げ帰ったといいます。
正体は山神?
玃(かく)という獣
元々は中国の伝説にある、美女をさらって子供を産ませる猿のような妖怪「玃(かく)」がモデルではないかと言われています。日本では、長い年月を生きて知恵がついた猿や天狗が妖怪化したもの、あるいは山の神の化身という説が一般的です。
現代のサトリ
悟りを開く
名前の由来は仏教用語の「悟り」から来ています。現代のポップカルチャー、例えば『東方Project』の古明地さとりなどは、この「心を読む」能力をキャラクターの個性として昇華させています。
まとめ
心を読まれることは、物理的な暴力以上に不気味な体験です。サトリの伝説は、他人の内面を知りすぎることの恐ろしさを教えてくれているのかもしれません。