「妖精」という言葉からは想像もつかないほどおぞましい姿をしたナックラヴィーは、スコットランド北方の島々に伝わる海から来る厄災そのものです。皮膚がなく、生の筋肉と血管が脈打つ馬の背中から、巨大な人間の上半身が生えています。
直視できないほどのグロテスクさ
皮膚がない怪物
ナックラヴィーの最大の特徴は「皮膚がない」ことです。黄色い筋、赤い筋肉、黒い血液が流れる血管がすべて剥き出しになっており、見る者に強烈な嫌悪感と恐怖を与えます。
異様な身体構造
馬の背中から生えた人間の胴体は、足がなく腰で馬と融合しています。頭部はあまりに大きく、また腕は地面を引きずるほど長く伸びています。馬の頭には一つだけの赤い目が燃えています。
もたらされる災厄
死の息吹
彼が吐き出す息は猛毒で、触れた作物を枯らし、家畜を死に至らしめ、人間に疫病をもたらします。オークニー諸島で不作や病気が流行ると、島民はナックラヴィーの仕業だと恐れました。
唯一の逃げ道
彼はこの世で最も邪悪な存在の一つですが、弱点があります。それは**「流れる真水」**です。彼は川を渡ることができないため、追われた場合は小川の向こう側に逃げれば助かると伝えられています。
オークニーの恐怖
オークニー諸島の島民にとって、ナックラヴィーは単なるおとぎ話ではなく、実質的な脅威でした。海藻(ケルプ)を燃やすと、その煙に激怒して暴れまわり、馬や作物を全滅させると恐れられていました。そのため、島民は海藻を燃やす時期には祈りを捧げ、恐怖に震えていたと言います。
現代カルチャーへの影響
SCP-3456
創作怪談サイト『SCP財団』に登場するオブジェクト「SCP-3456(オークニーの馬騎士)」は、明らかにナックラヴィーをモデルにしており、そのトラウマ級のビジュアルが再現されています。
女神転生シリーズ
「凶鳥」などの種族で登場し、元ネタに忠実な「皮のない人馬」として描かれ、プレイヤーに強いインパクトを与えています。
まとめ
ナックラヴィーは、厳しい自然環境や疫病への恐怖が具現化した、原始的な恐怖を喚起するモンスターです。その醜悪さは、逆説的に彼を忘れられない存在にしており、現代の多くのクリーチャーデザインにも多大な影響を与え続けています。