「そのころ、地上にはネフィリムがいた」。聖書にたった数行だけ記述されたこの巨人たちは、何者だったのか?天使の血を引きながら、神に滅ぼされた古代の支配者たちの謎を紐解きます。
禁断の恋の結晶
グリゴリ(見張り番)の堕落
『エノク書』などの外典によると、人間を監視し正しい道へ導くために地上に降りた天使の一団「グリゴリ」が、人間の女性たちの美しさに魅了されてしまいました。シェミハザやアザゼルといったリーダーたちに率いられた200人の天使たちは、ヘルモン山に降り立ち、神の禁忌を破って女性たちと交わり妻としました。その結果生まれたのが、人間と天使のハーフである巨人ネフィリムです。
地上を食らい尽くす
彼らは生まれつき巨大な体躯を持ち、底なしの食欲を持っていました。地上のあらゆる作物、鳥、獣、魚を食べ尽くしても満たされず、ついには人間さえも襲って食べるようになり、最終的には同族同士で共食いをするほどの暴虐の限りを尽くしました。地上は彼らによって暴力と血で穢されてしまったのです。
大洪水の原因
ノアの箱舟
彼らの暴虐と、堕天使たちが人間に教えた禁断の知識(武器の製造法、化粧、魔法、天文学など)によって世界が修復不可能なほど堕落したため、神は地上を一度リセットすることを決意します。それが有名な「ノアの大洪水」です。多くのネフィリムたちは、この大洪水によって溺れ死に、肉体は滅びましたが、彼らの魂は悪霊となって地上に残り、今も人間に害をなしているとも言われています。
その後の巨人
ゴリアテの祖先?
洪水後も、カナン地方には「アナク人」と呼ばれる巨人の一族が住んでいました(なぜ生き残ったのかは諸説あります)。後にイスラエルの少年ダビデが倒したペリシテ人の巨人戦士ゴリアテも、このネフィリムの血を引く一族の末裔だったのではないかと解釈されています。
まとめ
ネフィリムは、天界の「聖性」と地上の「欲望」が混ざり合った時、何が生まれるかを示す恐ろしい警告なのかもしれません。彼らの伝説は、力の乱用に対する永遠の教訓となっています。