「一角獣」といえば美しい白馬(ユニコーン)を思い浮かべますが、砂漠の国にはもっと荒々しく、恐ろしい一角獣が存在します。「カルカダン(Karkadann)」は、ペルシャやインドの伝承に語られる、サイと水牛を合わせたような巨獣です。
砂漠の暴君
象の天敵
カルカダンは極めて凶暴で縄張り意識が強く、視界に入るもの全てを攻撃します。その角の威力は凄まじく、なんと象さえも串刺しにして持ち上げてしまうと言われます。そしてあろうことか、角に刺さったままの象を振り回し、そのまま死ぬまで運び続けるというのです。しかし、持ち上げた象が重すぎて角から抜けなくなり、前が見えなくなって倒れたところを、巨大怪鳥ロックに二人まとめて連れ去られる…という間抜けな最期も語られています。
唯一の友
鳩の歌
そんな凶暴なカルカダンですが、唯一心を許す相手がいます。それは**鳩(または山鳩)**です。鳩の鳴き声を聞くと、カルカダンはおとなしくなり、うっとりとして聞き入ると言われています。この隙を狙って人間が狩りを行うこともあるそうです。
ユニコーンの原形として
恐ろしい実像
ヨーロッパのユニコーン伝説は、実はこのカルカダン(インドサイの伝聞)が美化されて伝わったものだという説があります。実際のカルカダンは、優雅さのかけらもない、砂漠の戦車のような存在です。
【考察】インドサイの正体
Karkadannの意味
ペルシャ語で「karkadann」はまさにサイを意味します。古代の人々にとって、鎧のような皮膚を持ち、一本の角で突進してくるサイは、十分に「神話的な怪物」だったのです。
まとめ
カルカダンは、美化されていない「リアルな一角獣」の姿です。それは自然界のサイが持つ圧倒的な力強さが、そのまま伝説となった存在と言えるでしょう。優雅なユニコーンも魅力的ですが、荒々しく生きるカルカダンの姿にも、また別の野生の美しさがあります。