**白澤(はくたく)**は、中国の伝説に登場する非常に賢い聖獣です。人間の言葉を流暢に操り、この世のすべての妖怪や精霊の正体と対処法を知り尽くしているとされ、「歩く妖怪図鑑」とも言える存在です。
奇妙だが神聖な姿
9つの目を持つ獣
白澤の姿は牛や獅子に似ていますが、最も特徴的なのはその顔と身体です。一説には、顔に3つ、胴体の左右に3つずつ、合計9つの目を持つとされています(角が6本あるとも)。この多くの目は、世の中の森羅万象を見通す知恵の象徴です。
東海に住む賢者
伝説では黄帝(中国の神話的な帝王)が東海を巡幸した際に出会ったとされます。白澤は黄帝に対し、天下の害を除くため、11,520種にも及ぶ妖怪や鬼神の情報を語って聞かせました。これを記録したのが幻の書『白澤図』です。
江戸時代の厄除けブーム
白澤図と「件(くだん)」
日本にも伝来し、江戸時代にはその絵が**「厄除け・病魔退散のお守り」**として大流行しました。枕元に置くと悪夢を見ないとも言われ、旅のお供としても重宝されました。未来を予言する妖怪「件(くだん)」と混同されることもありますが、白澤はあくまで知識と徳の象徴です。
サブカルチャーでの白澤
『鬼灯の冷徹』での漢方医
漫画『鬼灯の冷徹』では、女好きでお調子者の漢方医として登場し、知名度を上げました。彼の作る薬や知識は本物であり、神獣としての側面も描かれています。
『東方Project』の上白沢慧音
『東方Project』のキャラクター、上白沢慧音(かみしらさわ けいね)は、ワーハクタク(Were-Hakutaku)という半獣であり、歴史を食べる・創る能力を持っています。これも白澤の「知識の守護者」という性質を反映したものです。
まとめ
白澤は、力で敵を倒すのではなく、「知ること」で災いを避ける知的な守護神です。情報が溢れる現代においてこそ、真偽を見抜く白澤の知恵が必要とされているのかもしれません。