水の妖精といえば癒やしのイメージがありますが、イギリス・チェシャー州の湖に住む「アスレイ(Asrai)」は、少し違います。彼女たちはあまりにも冷たく、人間が触れればその冷たさで皮膚が焼かれ、一生消えない痕が残るのです。
月夜に浮かぶ美女
100歳ごとの成長
アスレイは非常にゆっくりと成長し、100年ごとに一度だけ成長すると言われます。見た目は美しく、半透明の肌と緑色の髪を持っています。満月の夜にだけ水面に浮かび上がり、月光を浴びています。人間よりも遥かに長い時を生きますが、その生態は謎に包まれており、水の中でどのような社会を築いているのかは知られていません。
捕まえてはいけない
ある漁師がアスレイの美しさに魅了され、ボートに乗せて連れ帰ろうとしました。しかしアスレイは太陽の光を極端に恐れ、必死に抵抗しました。漁師が彼女の腕を掴むと、その手は氷のように冷たく、焼けるような痛みが走りました。その冷気は衣服を通しても伝わり、骨の髄まで凍りつかせるほどでした。
太陽と共に消える
儚い最期
夜が明け、太陽の光が差し込むと、アスレイは叫び声を上げて溶けてしまい、後には水たまりだけが残りました。漁師の手には、彼女に触れられた箇所に一生消えない「冷たい火傷」の痕が残ったと伝えられています。
ファンタジーへの影響
氷の精霊の原型
現代のゲームなどに登場する「触れると凍る氷の精霊」や「雪女」のようなキャラクターの、西洋における類似例です。美しさと危険、そして儚さが同居する妖精の典型と言えます。
【考察】極寒の水の恐怖
低温火傷
氷のように冷たい水に長時間触れると、実際に皮膚は凍傷や寒冷蕁麻疹を起こし、火傷のような痛みを伴います。夜の湖の恐ろしい冷たさが、美しい精霊の姿を借りて語られた物語です。
まとめ
アスレイは、人間と妖精の住む世界が相容れないことを象徴する、悲しくも美しい伝説の存在です。