南太平洋のメラネシアには、魚を乱獲する人間を決して許さない守護者がいます。その名は「アバイア(Abaia)」。湖の底に棲むと言われるこの巨大な魔法のウナギは、「すべての魚は自分の子供」と考え、彼らを傷つける者には容赦ない鉄槌を下します。
湖の支配者
親心を持つ怪物
アバイアは、湖に住むすべての生物の「親」であるとされています。彼自身は巨大なウナギの姿をしています。普段は静かに湖底に潜んでいますが、人間が魚を捕りすぎたり、湖を汚したりすると激怒します。
洪水による報復
ある伝説では、アバイアの警告を無視して魚を乱獲した村に対し、アバイアは大雨と洪水を引き起こしました。湖の水位は急激に上昇し、村は一晩にして沈み、住民は全員溺れ死んでしまいました。
タブーの象徴
資源管理の教訓
アバイアの物語は、限られた自然資源を枯渇させないための「戒め」として機能していました。「魚を採りすぎるとアバイアが怒る」という恐怖心によって、人々は持続可能な漁業を守ってきたのです。
現代作品でのアバイア
TRPGのモンスター
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『パスファインダーRPG』などのテーブルトークRPGでは、水辺の強力なボスモンスターとして登場。魔法の力で水を操り、プレイヤーを苦しめます。
【考察】ウナギへの畏敬
巨大ウナギの実在
オオウナギの中には2メートルを超える個体も存在し、その太さと生命力は人間に畏怖を与えるのに十分でした。島国において、水と食料(魚)を支配する存在は、まさに神に等しい力を持っていたのでしょう。
環境保護の先駆け
現代的な視点で見れば、アバイアは「生態系の守護者」そのものです。特定の種(人間)が増えすぎて環境を破壊しようとするとき、それを力尽くで阻止する存在としての怪物は、古代人の自然に対する深い理解と、持続可能性への意識を示唆しています。
まとめ
アバイアは、自然のバランスを崩す者に対する「大自然の怒り」そのものです。