五月雨江(さみだれごう)は、郷義弘の作による打刀で、重要文化財です。 その刃文が五月雨(梅雨の頃の長雨)の霧のように見えることから、あるいは五月雨の季節に手に入れたことから名付けられたと言われます。 徳川将軍家の所蔵庫である「御腰物」の中でも丁重に扱われていました。
雨の情趣
詩的なる美
「五月雨」という名は、日本刀の中でも屈指の風流な名です。 派手な装飾よりも、しっとりとした地鉄(じがね)の美しさと、幽玄な刃文が見る人を惹きつけます。静けさの中に降り続く雨のような、止まることのない鋭さを持っています。
将軍家の秘蔵
権威の象徴
前田家から徳川家へ献上され、将軍家の極秘の宝として厳重に管理されました。 村雲江とは対をなすような存在として語られることもあり、「雲」と「雨」で空の景色を描くような関係性を持っています。
まとめ
五月雨江は、日本的な湿潤な美しさを極限まで高めた、美術品としても武器としても超一級の傑作です。