白地に赤い隈取(くまどり)、切れ長の目。神秘的でどこか妖艶な「狐面」。古くは神事に使われたこの面が、なぜ現代ではサブカルチャーやファッションのアイコンとして愛されるようになったのでしょうか?
神の使いとしての狐
五穀豊穣のシンボル
狐は、稲荷神(ウカノミタマ)の眷属(けんぞく=使い)です。春に山から降りて田の神となり、秋に山へ帰ることから、農耕の守り神とされてきました。神楽(里神楽)では、狐面をつけて舞うことで五穀豊穣を祈願します。
妖怪としての狐
化ける狐
一方で、狐は人を化かす妖怪としても描かれます。狐の嫁入りなどの伝承では、狐が人の姿を真似る際に顔を隠すため、あるいは人間が狐の祭りに入り込むために面をつける描写が見られます。 この「人間ではない何者かになる」という性質が、現代のコスプレや祭りの高揚感と結びつき、非日常へのパスポートとして人気を博しています。
まとめ
狐面をつけるとき、人は日常の自分を少しだけ手放します。それは神聖な儀式なのか、それとも妖しい遊びへの誘いなのか。その白い面の奥には、つけている人の本性が隠されているのかもしれません。