お雛様が手に持っている、薄い板を重ねたカラフルな扇。あれが「檜扇」です。紙の扇子が生まれるよりも前、世界最古の扇として日本で発明されました。最初はただの木の板だったものが、なぜあんなに絢爛豪華な貴族の必須アイテムになったのでしょうか?
元々は「カンニングペーパー」?
儀式のメモ帳
檜扇のルーツは、宮中での儀式の手順を忘れないように、薄い檜の板(木簡)にメモを書き、それを束ねたものだと言われています。やがてそれが洗練され、絵を描き、絹糸で綴じた優美な持ち物へと進化しました。
顔を隠す美学
慎みの文化
平安時代の高貴な女性は、人前で素顔を晒すことを良しとしませんでした。檜扇は、涼をとるためだけでなく、顔を隠して奥ゆかしさを演出するための重要な「盾」でもあったのです。現代でも、神職や皇族の正装としてその伝統が受け継がれています。
まとめ
檜扇が開くとき、そこには千年前の雅な世界が広がります。それは単なる道具を超え、日本の「美」と「慎み」の心を今に伝えるタイムカプセルなのです。