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宝蔵院胤栄:月を見て鎌槍を創始した「槍の聖人」

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宝蔵院胤栄 / Hozoin In'ei
宝蔵院胤栄

宝蔵院胤栄

Hozoin In'ei
日本神話僧兵 / 槍術家
英雄度★★★★
特徴頑強な僧兵
功績/能力変幻自在の槍術
弱点殺生への葛藤
主な登場
バガボンドFGO

奈良・興福寺の僧侶にして、日本槍術の源流の一つ「宝蔵院流槍術」の開祖、宝蔵院胤栄。彼は、当時の単純な素槍(すやり)に画期的な改良を加え、十文字の穂先を持つ「鎌槍」を発明しました。「突けば槍、薙げば薙刀、引けば鎌」と謳われたその変幻自在の技は、戦国最強の槍術として恐れられ、多くの武芸者が彼の下を訪れました。

月夜の閃きによる発明

猿沢池の伝説

ある夜、胤栄が奈良の猿沢池のほとりで槍の稽古をしていた時、水面に映る三日月の影を見て、あるインスピレーションを得たと伝えられています。彼は直ちに槍の穂先に三日月状の鎌(枝刃)を取り付けさせました。これが十文字槍の始まりです。

この改良により、敵の突きを鎌で受け止めて巻き落とす、引く動作で首や手足を刈る、槍柄を叩き折るといった、攻防一体の多彩な攻撃が可能になりました。この新兵器と技術は、当時の武術界に革命をもたらしました。

武人との交流

彼は僧侶でありながら武芸の探求に没頭し、新陰流の上泉信綱や柳生宗厳(石舟斎)ら一流の剣豪たちと積極的に交流・試合を行いました。彼らの流派を超えた技術と精神の切磋琢磨が、戦国時代の日本の武術レベルを飛躍的に高めたと言われています。

武具を捨てた晩年

殺生への葛藤と引退

晩年、85歳になった胤栄は、「僧侶の身でありながら、人を殺傷する技術を磨き広めること」に深い矛盾と罪悪感を感じるようになりました。ある日、彼は愛用していた十文字槍を含む全ての武具を高弟や寺に譲り渡し、槍術の指導から完全に引退することを決意しました。

その後は、一人の静かな僧侶として仏道に専念し、93歳という当時としては驚異的な長寿で天寿を全うしました。武の頂点を極めた末に、それを潔く捨てる道を選んだ彼の求道者としての姿勢は、真の強さとは何かという問いを私たちに投げかけています。

まとめ

武の頂点を極めた末に、それを捨てる道を選んだ宝蔵院胤栄。その求道者としての姿勢は、強さとは何かという問いを私たちに投げかけています。