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田の神:稲作を守る日本の原風景「タノカンサ」【山の神との交代】

#日本神話 #民間信仰 #農耕神 #稲作 #自然神 #季節の神
田の神 / Ta-no-Kami
田の神

田の神

Ta-no-Kami
日本神話 / 民間信仰自然神 / 農耕神
神格★★★
大きさ小さな石像 / 老人
権能稲の成長促進、害虫除け、豊作
弱点田んぼの荒廃
主な登場
全国の田んぼあえのこと(石川県)

田んぼの畦道(あぜみち)にひっそりと佇む石像や、小さなお社。それが田の神です。特定の名前を持つ高名な神様(稲荷神など)とは別に、古くから農民たちの間で親しまれてきた、稲作を守る素朴な神様です。春と秋で居場所を変える移動する神様でもあります。

山と田の往復

季節による交代

多くの地域で、「山の神」と「田の神」は同一の存在だと考えられています。春になると山から降りてきて「田の神」となり稲を見守り、秋の収穫が終わると山へ帰り「山の神」に戻るというサイクルを繰り返します。これは日本の四季と農作業のリズムそのものです。

タノカンサ

九州南部の石像神

特に鹿児島県や宮崎県の一部では、「タノカンサ(田の神さあ)」と呼ばれるユニークな石像が多く作られています。大きなしゃもじ(杓子)と茶碗を持ち、頭にシキ(飯げ)を被った農民姿の像で、化粧を施されることもあり、非常に愛嬌があります。

おもてなしの儀式

あえのこと

石川県の能登地方には、目に見えない田の神を家に招き入れ、お風呂に入れたりご馳走を振る舞ったりする「あえのこと」という重要無形民俗文化財の儀式が残っています。神様を家族のように大切にする心の表れです。

まとめ

日本の原風景である田園。そこには、派手さはありませんが、実直に私たちの食を支えてくれる田の神様が確かにいらっしゃいます。お米を食べる時、少しだけ思い出してみてください。