京都の北、上賀茂神社(賀茂別雷神社)の主祭神として知られる賀茂別雷命(カモワケイカヅチ)。一般的な「鬼の姿をした雷神」とは異なり、神聖で若々しい貴公子の姿をした雷神です。名前の「ワケ(別)」は「若」に通じ、「雷を別けるほどの力を持つ」ことを意味するとされます。強力な厄除けの神として、平安京の裏鬼門を守護し続けてきた、京都最強の守り神の一柱です。
丹塗りの矢の伝説
衝撃の出生
『山城国風土記』によると、母である玉依日売(タマヨリヒメ)が川で遊んでいた際、上流から一本の「丹塗り(赤く塗られた)の矢」が流れてきました。彼女がそれを持ち帰り、寝床の近くに置いていると、なんと懐妊し、男の子が生まれました。この矢の正体は、乙訓神社の火雷神(ホノイカヅチ)であったと言われています。
天へ昇る
男の子が元服(成人)した際、祖父が「父親だと思うものに杯を飲ませよ」と言うと、彼は杯を天に向けて投げ、「私の父は天の神です」と言って、雷鳴と共に天へ昇ってしまいました。その後、母の夢枕に立ち、「私に会いたければ、葵(あおい)の葉を飾り、馬を走らせて祭りをせよ」と告げました。これが、京都三大祭りの一つ**葵祭(あおいまつり)**の起源とされています。
厄除けと必勝の神
雷のエネルギーは、邪悪なものを粉砕し、浄化する力があると信じられています。そのため、あらゆる災難を除く、方除け(ほうよけ)、電気産業の守護、そして「雷のごときスピードと破壊力」にあやかり、必勝の神としても信仰されています。
まとめ
千年の都・京都を見守り続ける気高き雷神。その力は、現代においても私たちの生活から悪いものを祓い清めてくれています。