紙巻きタバコとも、パイプとも違う。日本の「煙管(きせる)」には、独特の所作と美学があります。火皿に葉を詰め、吸い口に口を寄せ、静かに紫煙をくゆらせる…。そこには、忙しい現代人が忘れてしまった「一服の余裕」がありました。
三つのパーツ
雁首・羅宇・吸い口
- 雁首(がんくび): 金属製。火をつける火皿がある先端部分。「雁首を揃える」という言葉の語源。
- 羅宇(らう): 竹製。煙を通す管の部分。ここを交換する「羅宇屋」という商売もありました。
- 吸い口: 金属製。口をつける部分。 これらが分解できる構造は、掃除をしやすくするための工夫です。
武器としての煙管
喧嘩煙管
「花の慶次」などで有名な「喧嘩煙管」は、全体が金属でできた巨大なもので、実質的には鉄の棒です。刀を持ち歩けない町人や、派手好きの傾奇者(かぶきもの)たちが、護身用やファッションとして腰に差して歩きました。
まとめ
煙管でタバコを吸うことは、手間がかかります。しかし、道具を磨き、火を操り、味と香りをじっくり楽しむそのプロセスこそが、最高の贅沢なのかもしれません。