「全ての圧制者に死を!」 古代ローマ史上最大級の奴隷反乱「第三次奴隷戦争(スパルタクスの乱)」を指導した男、スパルタクス。彼は元々トラキアの兵士でしたが、ローマ軍の捕虜となり、カプアの剣闘士養成所に売られた奴隷でした。見世物として殺し合う運命を拒絶し、自由を求めて立ち上がった彼の戦いは、数千年の時を超えて、抑圧された人々の希望の星として輝き続けています。
決起と快進撃
70人からのスタート
紀元前73年、彼は仲間70人と共に養成所を脱走し、ヴェスヴィオ山に立て籠もりました。調理場の包丁や焼き串だけの武装で追っ手のローマ兵を撃退した彼らの元には、噂を聞きつけた農場の奴隷たちが次々と集まりました。短期間でその数は数万、最終的には10万人規模にまで膨れ上がります。
ローマの悪夢
スパルタクスは優れた軍事的才能を持っていました。正規のローマ軍団(レギオン)を何度も撃破し、イタリア半島を南北に縦断してローマ市民を恐怖のどん底に叩き落としました。彼は単なる暴徒ではなく、規律と戦略を持った軍団を作り上げ、ローマの権威を根底から揺るがしたのです。
反乱の終焉
アルプス越えの断念
彼らは一度北上し、故郷へ帰るチャンスがありましたが、なぜか再び南下を選択します(略奪を望む部下の意見に押されたとも、ローマ破壊を目指したとも言われます)。これが運命の分かれ目でした。ローマ屈指の大富豪クラッススが率いる軍団によって包囲され、最後の決戦が行われます。
自由への戦死
スパルタクスは馬を殺して退路を断ち、敵将クラッススを目指して突撃しました。激戦の末に彼は討ち取られ、その遺体は見つからなかったと言われています。生き残った6000人の捕虜は、アッピア街道沿いに十字架にかけられ、見せしめとして処刑されましたが、その凄惨な光景は逆に彼の伝説を強固なものにしました。
永遠の反逆者
アイム・スパルタカス
スタンリー・キューブリック監督の映画『スパルタカス』での名シーン、「私がスパルタクスだ」と奴隷たちが次々に名乗り出る場面は、彼の魂が集団の中に生きていることを象徴しています。マルクス主義においてはプロレタリア革命の先駆者としても評価されました。
Fateでの愛すべき筋肉
Fateシリーズでは、「圧制者(オプレッサー)」に対する敏感すぎる反応と、常時笑顔で戦うバーサーカーとして登場。ダメージを受ければ受けるほど強くなる宝具「疵獣の咆吼(クライング・ウォー)」は、彼自身の不屈の精神と、虐げられた者の怒りを体現しています。
まとめ
スパルタクスは敗北しましたが、その名は「自由への闘争」の同義語となりました。鎖を引きちぎろうとする意思がある限り、彼の反逆は終わらないのです。