「1999年7の月、天から恐怖の大王が降ってくる」。20世紀末の人類を恐怖に陥れた希代の大予言者ノストラダムス。しかし彼の正体は、ペストと戦った有能な医師であり、ルネサンス期の知識人でした。彼の四行詩は本当に未来を予知していたのでしょうか?
ノストラダムスとはどのような人物か?
16世紀フランスの医師、占星術師です。本名はミシェル・ド・ノートルダム。当時猛威を振るっていたペストの治療に尽力し、衛生的な措置を推奨するなど医師として評価されていました。晩年に出版した『予言集(諸世紀)』は、難解な四行詩で書かれており、その解釈を巡って何世紀にもわたって論争が続いています。
伝説とエピソード
恐怖の大王
彼の予言の中で最も有名なのが、人類滅亡を示唆するとされた第10巻72番の詩です。これにより日本では「ノストラダムスの大予言」ブームが巻き起こり、社会現象となりました。実際には1999年には何も起きませんでしたが、現在では「日食の比喩」や「当時の政治情勢の風刺」など、冷静な解釈がなされています。
王の死の予言
彼が生前に行った予言で的中したとされるのが、フランス王アンリ2世の死です。「若い獅子が老いた獅子を打ち負かす…黄金の檻の中で目を突き刺す」という詩の内容通り、王は御前試合で槍が目に刺さって死亡しました。これにより彼の名声は決定的になりました。
現代作品での登場・影響
終末のワルキューレ
漫画『終末のワルキューレ』では、ジョーカー的な人類代表として登場。予言者としての能力を戦闘に応用し、神と対等に渡り合うユニークなキャラクターとして描かれました。
解釈の自由
彼の詩は具体的でないため、後世の人間が「起きた出来事に無理やり当てはめる(事後予言)」ことが可能です。これが彼の予言がいつまでも「当たった」と言われ続けるトリックでもあります。
【考察】その強さと本質
不安の鏡
彼の予言が流行る時、それは社会が不安に包まれている時です。人々は不確実な未来を知りたいがために、彼の難解な言葉の中に「答え」を見出そうとするのです。彼は歴史という混沌を映し出す鏡のような存在です。
まとめ
未来を知ることは、未来を変えること。彼の予言が外れたのなら、それは私たちが破滅を回避する道を選び取った証なのかもしれません。