通称「キャリコ・ジャック」。彼は海賊としての戦闘能力や略奪の成果よりも、その独特なファッションセンスと、今日最も有名な海賊旗(ジョリー・ロジャー)のデザイン、そしてアン・ボニーとメアリー・リードという二人の伝説的な女海賊を従えていたことで歴史に名を残した、カリブ海の海賊です。
海賊旗の考案とファッション
スカル&クロスボーン
今日、「海賊」と言えば誰もが思い浮かべる「黒字に白いドクロ、その下に2本の剣が交差した旗(スカル・アンド・クロスボーン)」。この象徴的なデザインを最初に採用し、広めたのがラカムであると言われています。この旗は、獲物に対して「降伏すれば命は助けるが、抵抗すれば皆殺しだ」という強烈なメッセージを視覚的に伝える優れたプロパガンダツールでした。
また、彼は当時としては珍しい「キャリコ」と呼ばれる鮮やかな更紗(さらさ)のコートやズボンを好んで着用していたため、「キャリコ・ジャック」というあだ名で呼ばれました。彼は海賊を一種の「見世物」や「ブランド」として演出した先駆者だったのかもしれません。
女海賊たちとの関係と最期
世紀の海賊カップル
彼は人妻であったアン・ボニーと恋に落ちて駆け落ちし、男装させて海賊船に乗せました。さらに、別の船から捕虜として加わった(実は女だった)メアリー・リードも仲間に加わり、奇妙な三角関係、あるいは固い結束で結ばれたチームが結成されました。
1720年、海軍の海賊ハンターに襲撃された際、ラカムと男性乗組員たちはラム酒で泥酔して船倉に逃げ込んでしまいましたが、アンとメアリーの二人は甲板で激しく戦い続けました。処刑の日、面会に来たアンはラカムにこう言い放ちました。「あんたが男らしく戦っていれば、今こうして犬のように吊るされることはなかったのに」。これは海賊史に残る最も痛烈な別れの言葉として知られています。
まとめ
ジャック・ラカムは一流の戦士ではありませんでしたが、その派手な生き様とビジュアルイメージによって、最も有名な海賊の一人としてポップカルチャーに君臨し続けています。