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后ゲイ:九つの太陽を射落とした中国神話の英雄...【元ネタ・解説】

#神話 #中国 #英雄 #弓兵 #悲恋
后ゲイ / Hou Yi
后ゲイ

后ゲイ

Hou Yi
中国神話History / Legend
英雄度★★★★★
特徴神弓の使い手
功績/能力太陽を落とす弓術
弱点妻への愛・弟子の裏切り
主な登場
中国神話東方Project無双OROCHI

古代中国の神話に登場する、弓の神様とも呼べる英雄・后ゲイ(羿)。ある時、空に太陽が10個同時に現れ、地上は灼熱地獄となり、作物は枯れ、怪物が暴れ回る事態となりました。天帝の命を受けたゲイは、赤い弓と白い矢を持って地上に降り、9つの太陽を次々と射落としました。残る1つの太陽だけを残し、世界に秩序を取り戻した救世主ですが、その後の運命は悲劇的でした。

英雄の栄光と転落

怪物退治

太陽を射落としただけでなく、ゲイは地上で暴れていた数々の怪物(鑿歯、九嬰、大風など)を退治し、人々に平穏をもたらしました。その武勇は天下に轟きましたが、太陽(天帝の息子たち)を殺してしまったため、天帝の怒りを買い、神の座を剥奪されて人間として地上で暮らすことになってしまいます。

嫦娥奔月

人間となったゲイは、死を恐れて西王母から「不死の薬」をもらってきました。しかし、彼の妻である嫦娥(じょうが)がその薬を独り占めして飲み、月へと逃げ去ってしまいます(夫の暴虐に耐えかねて、あるいは盗人から守るためなど、諸説あり)。月に独り残された嫦娥はヒキガエルになったとも言われますが、ゲイは月を見上げて妻を想い、好物を供えたといいます。これが「中秋の名月」の由来の一つです。

忘却された神

元々は天帝の軍神として高い地位にありましたが、地上での苦難を通じて人間的な感情を持つようになりました。太陽を落としたことで天界には戻れなくなりましたが、それによって彼は「人々の守護者」としての真の英雄性を獲得したとも言えます。彼の物語は、権力者の理不尽さと、それに抗う個人の孤独な戦いを描いています。

悲劇の最期

弟子の裏切り

妻を失い、性格が荒んでしまったとも伝えられるゲイ。最後は自らの弟子である逢蒙(ほうもう)に、その弓の腕を妬まれ、撲殺(あるいは射殺)されるという無念の最期を遂げました。類稀な才能を持ちながら、神々の都合や弟子の嫉妬に翻弄された、人間臭い英雄でもあります。

まとめ

太陽を射落とすという壮大なスケールの伝説と、月見にまつわる切ない夫婦の物語。后ゲイの伝説は、力強さと哀愁を併せ持ち、アジアの文化に深く根付いています。