「国士無双(天下に並ぶ者なし)」。その言葉は彼のために生まれました。韓信。股くぐりの屈辱から這い上がり、天才的な用兵で劉邦に天下を取らせた、中国史上最強クラスの軍神。
韓信とはどのような英雄か?
秦末期の楚漢戦争において、劉邦(漢王)に仕えた大将軍です。元は無職の貧乏人で、町の若者の股をくぐる恥辱も受け入れました(韓信の股くぐり)。しかし蕭何に見出されて大将軍に抜擢されると、常識外れの戦術で連戦連勝。「背水の陣」で趙を破り、最後は「四面楚歌」の策で最強の敵・項羽を追い詰め、漢王朝の成立に決定的な役割を果たしました。しかしその功績と能力を恐れられ、最後は反逆の疑いで処刑されました。「狡兎死して走狗烹らる」という言葉を残したことでも有名です。
伝説でのエピソード
背水の陣
兵士を逃げ場のない川に背を向けて布陣させ、決死の覚悟で戦わせて大勝した戦術。兵法ではタブーとされる形を逆用した、彼の天才性を示すエピソードです。
敗戦を知らない
彼は生涯、戦場での指揮において一度も負けたことがないと言われています(劉邦には負けたとされますが、それは政治的な敗北です)。
後世への影響と言及
故事成語のデパート
「国士無双」「背水の陣」「敗軍の将は兵を語らず」「四面楚歌」「推して知るべし」など、彼にまつわるエピソードから生まれた言葉は数え切れません。
Fate/Grand Order
『FGO』では、技術開発にも長けたマッドサイエンティスト的な軍師として登場。項羽や劉邦との関係性がクローズアップされました。
【考察】その本質と象徴
戦争の天才、政治の凡人
戦場では神のような采配を振るいましたが、政治的な保身や駆け引きは苦手でした。そのアンバランスさが、彼の悲劇的かつ劇的な人生を形作っています。
まとめ
彼がいなければ、漢王朝は生まれなかったでしょう。その才能はあまりに大きすぎ、平時の器には収まりきりませんでした。