スラブの夜明けと夕暮れ、空が最も神秘的な色に染まるその時、女神ゾーリャたちはそこにいます。彼女たちは太陽神ダズボーグに仕える美しい乙女たちであり、一般的には「明けの明星」ウトレニャヤと、「宵の明星」ヴェチェルニャヤの二柱(時には真夜中を含む三柱)として語られます。しかし、彼女たちの役割は単に太陽の出入りを見守るだけではありません。彼女たちは宇宙のバランスを崩壊させかねない恐ろしい怪物を監視する、孤独で重大な使命を帯びた守護者なのです。
終末を食い止める番人
鎖に繋がれた怪物
北極星、あるいは大熊座のあたりには、世界を飲み込もうとする恐ろしい猛犬(あるいは熊)が鎖に繋がれているという伝承があります。もしこの鎖が切れれば、世界は滅びてしまいます。ゾーリャたちはこの鎖が決して切れないよう、また緩まないよう、片時も目を離さずに見張っているのです。彼女たちの美しさは、実は世界を守る張り詰めた緊張感の上に成り立っています。
太陽の世話役
毎朝、明けのゾーリャは太陽神の馬車のために門を開け、白馬の手綱を取ります。そして一日の旅を終えた太陽神が戻ると、宵のゾーリャが門を閉め、疲れた馬と神を休ませます。彼女たちの献身によって、昼と夜のサイクルは永遠に繰り返されるのです。
戦士の守護女神
聖なる衣の加護
意外なことに、この可憐な星の女神たちは、戦場に赴く荒々しい戦士たちから篤く信仰されていました。戦士たちは「戦いの最中、私をマントで覆い隠し、矢や剣から守ってください」とゾーリャに祈りを捧げました。彼女たちの纏う光のヴェールは、鉄の鎧よりも強固な守りとなると信じられていたのです。
魔法と治癒
また、民間療法や魔法の呪文においても、彼女たちの名は頻繁に唱えられました。不眠症や病気を治す際、明けの光と宵の光には浄化の力があるとされ、人々は夜明けと共に癒やしを祈りました。
まとめ
ゾーリャたちは、世界の始まりと終わりを見つめる静かなる観察者です。空が薄明に染まるとき、それは彼女たちが今も変わらず、私たちを終末の恐怖から守り続けてくれている証なのです。