「モントゥの如く力強い」。これは古代エジプトのファラオにとって最高の褒め言葉でした。アメン神が台頭する以前、テーベで主神として崇められていた、ハヤブサの頭を持つ勇猛な戦神モントゥ。太陽の灼熱と戦場の狂乱を司る、真の武人のための神を紹介します。
王たちの理想像
荒ぶる雄牛
モントゥはしばしば「怒れる雄牛」の姿でも表現され、敵を蹂躙する圧倒的なパワーの象徴でした。第11王朝の王たちは「メンチュヘテプ(モントゥは満ち足りる)」という名を好んで名乗り、この神の加護による軍事的成功を誇示しました。
太陽神としての側面
ラーとの習合
ハヤブサの頭を持つことから分かるように、彼は太陽神ラーとも深く結びついています(モントゥ=ラー)。慈愛の太陽ではなく、敵を焼き尽くす真夏の太陽の破壊的な側面を担っており、戦場における神罰の執行者としての役割も果たしました。
まとめ
モントゥは、エジプトの歴史の中で「強さ」のみを純粋に追い求めた時代の象徴であり、その名は勝利を渇望する戦士たちの叫びの中に生き続けました。