世界各地に伝わる「大洪水伝説」。インドにおけるその救世主は、小さな金魚のような姿で現れました。ヴィシュヌ神の記念すべき第1の化身マツヤ。掌に乗るサイズから海を埋め尽くす巨大魚へと進化し、人類の種(マヌ)を乗せた船を導いた、生命の守護者の物語です。
進化する救世主
伝説の始まり
ある日、始祖マヌが手を洗っていると、小さな魚が「私を育ててくれれば、来るべき大洪水からあなたを救おう」と話しかけました。マヌが壺で飼い始めると魚は瞬く間に巨大化し、池へ、川へ、そして海へと移さねばならないほど成長しました。この成長は、神への信仰(バクティ)が心の中で育っていく過程のメタファーでもあります。
ヒマラヤへの導き
ノアの方舟との共通点
大洪水が起こると、マツヤは角に船を繋がせてヒマラヤの山頂まで牽引しました。その間、マツヤはマヌに『マツヤ・プラーナ』と呼ばれる深遠な真理を説いたとされます。単なる物理的な救助だけでなく、次の世界のための「知識」の継承も行ったのです。
まとめ
マツヤは、生命の源である「水」と「魚」の姿を借りて、終わりと始まりの間を繋ぐ神であり、どんなに小さく見えるきっかけにも神意が宿っていることを教えています。