道教における事実上の最高神であり、天界の支配者である玉皇大帝。あの孫悟空でさえ、彼には頭が上がりません(暴れはしましたが……)。
玉皇大帝とはどのような神か?
玉皇大帝(あるいは玉帝)は、中国の民間信仰や道教において、天界、地上、地底(冥界)の三界すべてを統べる最高権力者です。人間界の皇帝が天子の如く振る舞うように、彼もまた天上の宮廷で多くの神々や仙人を従え、官僚的な組織によって世界を管理しています。人間の善行や悪行を監視し、寿命や運命を決定する権限を持っており、旧暦の年末には各家庭の竈神(かまどがみ)から報告を受けるとされています。
神話での伝説とエピソード
修行の果ての即位
彼は最初から神だったわけではありません。伝説によれば、彼は元々ある国の王子でしたが、王位を捨てて山に入り、何億年(一説には2億年以上)もの修行を経て「道(タオ)」を極め、その功徳によって玉皇大帝の地位に就いたとされています。これは、誰でも修行次第で神になれるという道教の教えを反映しています。
西遊記での受難
『西遊記』では、天界で暴れまわる孫悟空に手を焼き、甥である顕聖二郎真君や、西方の釈迦如来(お釈迦様)に助けを求める役回りとして描かれます。威厳はあるものの、どこか人間味のある苦労人(苦労神?)としての側面も愛されています。
現代作品での登場・影響
現代中国での信仰
台湾や東南アジアの華人社会では現在でも篤く信仰されており、「天公(ティエンコン)」と呼ばれて親しまれています。旧暦1月9日の彼の誕生日は盛大に祝われます。
ポップカルチャー
『ドラゴンボール』の神様や閻魔大王の上司といった階層構造は、この道教の天界システムがモデルになっています。
【考察】その強さと本質
官僚制の投影
中国の神界が非常に組織的で官僚的なのは、地上の官僚制度(科挙など)が天界に投影されているからです。玉皇大帝はその頂点に立つ、究極の皇帝像なのです。
まとめ
気の遠くなるような修行の末に宇宙の統治者となった玉皇大帝。世界の秩序は、彼と天界の役人たちの働きによって保たれているのです。