中国神話における最初の人類にして、文明の創始者。妹の女カと共に、下半身が蛇の姿で絡み合う。占いの基礎である「八卦」を発明し、人間に火や漁を教えた、偉大なる文化英雄。
伏羲とはどのような神か?
中国古代神話の三皇の筆頭に挙げられる神(あるいは伝説の帝王)です。雷神の息子とも言われます。妹であり妻である女カと共に、大洪水後の世界で人類を再興しました。彼は自然界の法則を観察して「八卦(易の基本)」を考案し、文字、漁業、狩猟、調理法、婚姻制度などを定めたとされます。手には世界を測る「規(コンパス)」を持っています。
神話でのエピソード
交尾図
漢代の石室レリーフなどでは、伏羲と女カが蛇の下半身を螺旋状に絡ませている姿が頻繁に描かれます。これは陰陽の交わり、DNAの二重螺旋、宇宙の調和を象徴しているとも言われます。
封神演義
小説『封神演義』では、火雲洞に住む聖人として登場し、太公望たちを導く超越的な存在として描かれます。
信仰と後世への影響
易経の祖
彼が作った八卦は、後の儒教経典『易経』の基礎となり、東洋の哲学や占術に計り知れない影響を与えました。
真・三國無双
ゲームでは、優雅で浮世離れした貴公子として登場し、大剣や琴のような武器で戦います。
【考察】その本質と象徴
文明の父
彼は単なる力のある神ではなく、知恵と秩序によって「ヒト」を「人間」にした存在です。中国文化のルーツそのものと言えます。
ノアとの類似
大洪水を生き残り、妹と結婚して人類を再生させたという神話は、旧約聖書のノアの方舟や、他の文化の洪水神話と多くの共通点を持っています。伏羲は「中国のノア」とも言える存在であり、人類共通の記憶が反映されている可能性があります。また、彼が定めた婚姻制度によって、人類は群れではなく社会を形成するようになり、文明への第一歩を踏み出したとされます。
まとめ
森羅万象のパターンを読み解いた彼の目は、数千年後のデジタルの世界さえも見通していたのかもしれません。