海の底にある黄金の宮殿で、神々にビールを振る舞う海の支配者。荒れ狂う波であると同時に、最高のホストでもあるエーギル。アース神族とも対等に渡り合う海の巨人。
エーギルとはどのような神か?
北欧神話の海の巨人(あるいは神)です。アース神族ではなく、より古い巨人の血筋ですが、オーディンやトールたちと友好的な関係を築き、定期的に宴会を開いています。彼は巨大な釜でビールを醸造することを得意とし、その宮殿では黄金が照明の代わりに輝いています。妻のラーンと共に、溺死した船員の魂を網で捕らえて宮殿に招くと信じられていました。
神話でのエピソード
ロキの悪口
『ロキの口論』という有名な詩は、エーギルの宮殿で開かれた宴会の席での出来事です。ロキはここで全ての神々の秘密を暴露し罵倒しましたが、エーギル自身は直接的な被害を受けず、ただ場所を提供しただけでした。
九人の娘
彼には九人の娘(波の乙女)がおり、それぞれが異なる種類の波を象徴しています。
信仰と後世への影響
船飲みのエーギル
ヴァイキングたちは、海が荒れるのを「エーギルが醸造を始めた」と表現しました。彼を鎮めるために捕虜を生贄に捧げることもあったと言われます。
現代の艦船
ドイツ海軍の補給艦など、多くの艦船の名前に彼の名が使われています。
【考察】その本質と象徴
自然の擬人化
気まぐれで、恵み(魚や航路)と災い(嵐)の両方をもたらす海そのものの性格を反映しています。
エーギルの醸造釜
彼がトールから奪わせた巨大な醸造釜は、深海の水圧と豊かさを象徴しています。この釜で作られるビールは決して尽きることがなく、神々の宴を永遠に盛り上げることができます。海が泡立つのは、彼がビールを作っているからだという伝承もあります。
まとめ
海の底で乾杯の音が響く時、海上は嵐に見舞われます。彼の宴に参加したければ、まずは息を止めることです。