ペラゴルニス(Pelagornis)は、新生代の空を支配していた巨大な海鳥です。その翼を広げた長さは最大で7メートルにも達し、アルゲンタヴィスと並んで「史上最大の飛ぶ鳥」の候補とされています(翼の長さだけならペラゴルニスが上回る可能性があります)。彼らの特徴は、くちばしに並んだ「骨質の歯」です。
偽の歯(偽歯)
くちばしの縁がのこぎり状にギザギザと突出し、一見すると歯のように見えます。これは本物の歯(エナメル質などからなる)ではなく、顎の骨が変形した「偽歯」です。このギザギザは、海面ですくい上げた滑りやすい魚やイカを逃さないための強力な滑り止めとして機能しました。
グライダー飛行
アホウドリを巨大にしたような細長い翼を持っており、羽ばたくよりも風に乗って滑空することに特化していました。一度飛び立てば、海上の風を受けて何千キロもの距離を、ほとんどエネルギーを使わずに移動できたでしょう。世界中の海岸から化石が見つかっていることからも、その移動能力の高さが伺えます。
離陸の難しさ
その巨大な翼ゆえに、平地からの離陸は困難だったはずです。おそらく崖の上から飛び立つか、常に強い風が吹く海上で助走をつけて飛び立ったと考えられます。陸上では不格好でしたが、空に浮かべば誰よりも優雅な王者でした。
まとめ
ペラゴルニスは、鳥類が空というフィールドで到達した大きさの限界です。彼らの影が海面を覆う時、魚たちに逃げる術はありませんでした。