エリオプス(Eryops)は、ペルム紀前期(約2億9500万年前)の北米に生息していた大型両生類です。全長は2メートルに達し、当時の陸上・淡水域の頂点捕食者でした。学名は「長く伸びた顔」を意味します。カエルやサンショウウオの遠い親戚ですが、その姿はワニに近く、非常に頑丈な体をしていました。
重力との戦い
エリオプスの骨格は非常に太く、重厚に作られています。これは、浮力のない陸上で重たい体を支えるためでした。肋骨も発達しており、陸上での肺呼吸が可能でした。しかし、その重さゆえに動きは鈍く、陸上では這うように移動していたと思われます。
水辺の待ち伏せ
頭骨は平たく、目は上向きについていました。これはワニのように水面から目だけを出して獲物を待ち伏せするのに適しています。口には鋭い歯が並んでおり、近づいてきた魚や小型の両生類、爬虫類を瞬発的に捕らえて丸呑みにしていました。聴覚構造も発達しており、空気中の音を聞くことができました。
両生類の黄金時代
エリオプスは、両生類が陸上の支配権を握っていた時代の象徴です。彼らの後、より乾燥に適応した爬虫類が台頭し、両生類は小型化して水辺へと追いやられていくことになります。
まとめ
エリオプスは、両生類が「巨大な捕食者」として君臨できた時代の最後の輝きです。その無骨な姿は、脊椎動物の陸上進出の苦難と成功を物語っています。