陸のベヒモス、海のリヴァイアサン。この二大怪獣は有名ですが、空を統べる第三の獣「ジズ」の存在はあまり知られていません。しかしその大きさは、翼を広げれば太陽の光さえ遮るほどだといいます。
忘れられた空の覇者
陸・海・空の三位一体
ユダヤのラビ文献やアガダーによれば、神は天地創造の際、それぞれの領域を統治する巨大な怪物を創りました。海にはレヴィアタン、陸にはベヒモス、そして空にはジズです。これら三頭は対となる存在であり、世界の終末までそれぞれの領域を守護しています。
太陽を守る翼
ジズの翼はあまりに巨大で、広げると太陽を覆い隠し、大地を闇に包むことができます。しかし、これは単なる脅威ではありません。伝説によれば、ジズが翼を広げて南風を受け止めることで、灼熱の風が直接大地を焼き尽くすのを防いでいるとも言われています。つまり、ジズがいなければ世界は乾燥し、多くの鳥が死に絶えてしまうのです。
終末の祝宴のメインディッシュ
神に捧げられる運命
これほど強大な力を持つジズですが、その最期は他の二頭と共に定められています。「審判の日」が訪れると、神自身の手によって三頭の獣は屠られ、選ばれた正義の人々のための巨大な祝宴の料理として振る舞われるのです。ジズの肉は様々な味に変化し、非常に美味であると伝えられています。
現代に残るジズの影
ポケモンの伝説の鳥?
『ポケットモンスター ルビー・サファイア』に登場する伝説のポケモン、カイオーガ(海)、グラードン(陸)、レックウザ(空)の関係は、このジズ・レヴィアタン・ベヒモスの三頭説をモデルにしているという説が有力です。ジズ自身の知名度は低いものの、その「空の王」という概念は現代のクリエイターたちにインスピレーションを与え続けています。
【考察】グリフォンやフェニックスとの違い
神の家畜としての性質
他の神話の怪鳥たちが独立した荒ぶる神や怪物として描かれるのに対し、ジズはあくまで「神の創造物」であり、最終的には人間のための食料となる「巨大な家畜」としての側面を持っています。これはユダヤ教的な世界観、つまり全ての被造物は神の計画の一部であるという思想を反映していると言えるでしょう。
まとめ
あまり語られることのない幻の巨鳥ジズ。しかしその翼は、今も我々の知らないところで世界を灼熱から守っているのかもしれません。