山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと声が返ってくる現象。科学的には「反響」ですが、昔の日本人はそこに**木霊(こだま)**という存在を感じていました。彼らは樹木に宿る精霊であり、森の守り手として、時には人間に恵みを、時には祟りをもたらしました。
見えない住人
樹木の魂
木霊は特定の姿を持たないことが多いですが、古い巨木には必ず宿っているとされました。ジブリ映画『もののけ姫』で描かれた、頭をカタカタさせる白い妖精のような姿が有名ですが、鳥山石燕の画集では、老木の近くに立つ老人の姿などで描かれています。
木を切るタブー
祟る精霊
木霊が宿る木を許可なく切ると、きこりが怪我をしたり病気になったりして祟られると信じられていました。また、木霊の宿る木が枯れる時には、その木霊自身も死ぬと言われています。彼らは森の生命力そのものであり、人間に対して自然への畏敬を求める存在なのです。
まとめ
木霊は、日本人の根底にあるアニミズム(自然崇拝)を象徴する、最も原始的で純粋な「妖怪」の形の一つと言えるでしょう。