橋姫とは、本来は橋を守る女神のことでしたが、伝承の中で「嫉妬に狂った鬼女」としての性格が強調されるようになりました。特に有名な「宇治の橋姫」は、日本における呪いの儀式丑の刻参りの元祖とも言える、おどろおどろしい伝説を持っています。
貴船神社への祈願
鬼になりたい
ある公家の娘が、夫を別の女性に奪われた嫉妬から、「生きながら鬼になって、あの女を取り殺したい」と貴船神社に祈り続けました。神託に従い、髪を乱し、顔に朱を塗り、頭に鉄輪(五徳)を逆さにかぶってロウソクを立てた異様な姿で宇治川に21日間浸かり続け、ついに念願の鬼へと変貌しました。
縁切りの神
悪縁を断つ
鬼となった橋姫は、憎い相手だけでなく、その親類縁者、さらには通りすがりの男女まで次々と襲ったと言われます。現在では、橋姫神社は「悪縁切り」のパワースポットとして知られていますが、それは「恋人同士で渡ると橋姫に嫉妬されて別れさせられる」という恐ろしい伝承の裏返しでもあるのです。
まとめ
橋姫は、誰の心にも潜む「嫉妬」という感情が、制御を失った時にどれほど破壊的な力を持つかを警告する、悲しきモンスターです。