夜、川辺や田んぼ道を歩いていると、ぼぅっと青白く光る鳥のようなものが見えることがあります。それは狐火でも人魂でもなく、「青鷺火(あおさぎのひ)」かもしれません。長く生きたサギが妖力を得て光り輝くとされる、美しくも不気味な現象です。
光るサギの伝説
ゴイサギとアオサギ
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』によれば、ゴイサギ(夜行性のサギ)は年をとると胸が光り始め、その光で水面を照らして魚を捕ると記されています。鳥山石燕はこれを「青鷺火」として描き、口から火を吹くような描写を加えました。老いた動物が妖力を持つという「経立(フッタチ)」の思想の一種です。
驚かすだけの妖怪
青鷺火は、基本的には人を襲ったり呪ったりすることはありません。ただ、夜の闇の中で不気味に青白く光り、通りかかった人を驚かせるだけの存在です。しかし、木に止まって光る姿は、まるで火の玉のように見えたことでしょう。昔の人々はこれを狐や狸の仕業とも、神聖な現象とも捉え、畏れ敬ったのです。
科学的な正体
発光バクテリア説
現在では、この現象は発光バクテリアによるものではないかと考えられています。水辺に生息するサギの体に、光るバクテリアが付着し、月明かりのない夜にぼんやりと光って見えたというのが有力な説です。
カルチャーでの青鷺火
仁王2などのゲーム
アクションゲーム『仁王2』などでは、邪悪な霊鳥としてアレンジされ、電気や冷気を帯びて攻撃してくる敵キャラクターとして登場することがあります。神秘的なビジュアルは和風ファンタジーによく似合います。
【考察】神の使い?
精神的な光
サギは神の使いとされることも多く、その姿が光って見えることは、人々にとって畏敬の念を抱かせる体験でした。単なる鳥以上の「何か」を感じた心が、怪火伝説を生んだのでしょう。
まとめ
青鷺火は、電気のない時代の漆黒の闇が生み出した、幻想的な自然のイルミネーションです。