アメリカの広大な森林地帯で、木こりたちが焚き火を囲んで語り合ったホラ話「フィアサム・クリッター」。その中でも特に陰湿で危険なのが「アグロペルター(Agropelter)」です。彼らは姿を見せず、頭上からの「飛び道具」で人間を襲います。
枯れ木の狙撃手
姿なき攻撃者
アグロペルターは、猿に似た細長い体と、筋肉質な腕を持つ生物です。普段は枯れ木の空洞に潜んでおり、通りかかった人間を見つけると、折った枝や木の実を、とてつもない速度と正確さで投げつけます。その投擲技術はスナイパーのように正確で、決して的を外さないと言われています。
目的は?
彼らがなぜ人間を襲うのかは不明ですが、自分の縄張りである森に侵入されることを極端に嫌っているようです。単なる悪ふざけにしては攻撃は強烈で、直撃すれば気絶、悪くすれば死に至ります。森に入った人が謎の怪我をして倒れていたり、帽子だけが消えていたりしたら、それはアグロペルターの仕業かもしれません。
ビッグフットの子供?
混同される怪物
一説には、不機嫌なビッグフットの子供だとも揶揄されますが、フィアサム・クリッターとしては独立した種として扱われます。特にメイン州からオレゴン州にかけての森林に出没すると言われました。
現代への影響
ゲームの雑魚敵
RPGなどで、樹上からアイテムを投げてくる猿型のモンスターのモデルになっています。「アグロ(敵対心)」という言葉が含まれる名前は、今のゲーマーにとっても親しみやすいかもしれません(実際は「Agriculture(農業)」などとは無関係の造語です)。
【考察】落枝事故の擬人化
ウィドウ・メーカー
森の中では、枯れた枝が突然折れて落下し、人を直撃する事故が多発します。木こりたちはこれを「ウィドウ・メーカー(未亡人製造機)」と恐れました。この理不尽な自然事故を「怪物の悪意ある攻撃」と解釈することで、恐怖を笑いに変えようとしたのでしょう。
まとめ
アグロペルターは、森の静けさの中に潜む「不意の危険」を象徴する、アメリカ開拓時代の愛すべき妖怪です。