「藁人形」と聞いて、誰もが思い浮かべるのは五寸釘と白い着物の女性…そう、「丑の刻参り」の呪いです。しかし、この人形が元々は「人々を病気や災いから守るための道具」だったことをご存知でしょうか?恐怖の象徴の、意外な真実に迫ります。
丑の刻参りと呪い
儀式の作法
丑の刻(午前1時〜3時頃)に神社の御神木に藁人形を五寸釘で打ち付ける儀式です。人形には呪いたい相手の一部(髪の毛など)を入れ、相手に見立てて釘を打ち込みます。これにより相手に苦痛を与えると信じられてきました。
自分に返る刃
「人を呪わば穴二つ」という言葉通り、この儀式は術者自身にも大きなリスクを伴うとされます。誰かに見られたら呪いが自分に跳ね返るとも、儀式を完了しなければ成就しないとも言われます。
本来の役割:厄災の身代わり
厄除けとしての藁人形
平安時代などの古来より、藁人形は「形代(かたしろ)」として使われてきました。自分の代わりに人形に病気や穢れを移し、川に流したり燃やしたりして清めるのです。
道祖神としての役割
村の入り口に巨大な藁人形(鹿島様など)を設置し、疫病や悪霊が村に入ってこないように睨みをきかせる風習も、日本各地に残っています。
まとめ
藁人形は、人間の「誰かを傷つけたい」という昏い情念と、「災いから逃れたい」という切実な願い、その両方を受け止めてきた、悲しくも恐ろしい依代(よりしろ)なのです。