滅びゆく国の最後の希望。李牧は、圧倒的な強さを誇る秦の軍勢に対し、趙という国を守るために孤軍奮闘した名将です。「李牧がいる限り、赵は落ちない」。敵からもそう恐れられた天才軍師は、戦場ではなく、味方の宮廷での陰謀によって命を落としました。
北の国境の守り人
匈奴を罠にかける
彼は最初、北方の騎馬民族・匈奴(きょうど)の対策を担当していました。彼は弱腰を装って敵を油断させ、深追いしてきた匈奴の大軍を一挙に包囲殲滅しました。この鮮やかな手並みにより、匈奴は十数年も姿を見せなくなったと言います。
秦との死闘
王翦との知恵比べ
秦が中華統一へ向けて動き出すと、李牧はその最大の障壁として立ちはだかりました。秦の将軍・桓騎を破り、最強の将軍・王翦(おうせん)とも互角以上の戦いを繰り広げました。彼の防衛戦術は完璧で、力攻めでは決して落とせなかったのです。
離間の計と処刑
愚王による自滅
李牧に勝てないと悟った秦は、賄賂を使って趙の重臣を買収し、「李牧が謀反を企んでいる」という偽情報を王に流しました。愚かな趙王はこれを信じ、国の守護神である李牧を処刑してしまいます。その3ヶ月後、趙はあっけなく滅亡しました。李牧の死は、そのまま国の死だったのです。
現代作品での李牧
キングダム
主人公・信や秦国にとっての最大最強の壁、「ラスボス」的存在として描かれます。涼しげな顔で恐ろしい策を巡らす美男子ですが、その背中には国を守る責任と重圧がのしかかっています。史実を知る読者は、彼の未来を思って胸を痛めることになります。
李牧(Ri Boku)は、戦国四大名将の一人に数えられる趙の守護神です。秦の侵攻を幾度も食い止め、最強の将軍・王翦をも苦しめました。しかし、最後は敵の離間の計により、愚かな王によって処刑されてしまいます。彼の死は趙の滅亡を決定づける悲劇的な幕切れでした。
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まとめ
戦場では負けなかった男が、政治という泥沼で敗れる。李牧の悲劇は、組織において「有能であること」がいかに難しいかを現代に伝えています。