ギリシャからインドに至る大帝国を一代で築き上げた征服王アレキサンダー(イスカンダル)。その足跡は、東西文化の融合という形で世界を大きく変えました。若くして王となり、戦場を駆け抜け、32歳という若さでこの世を去った彼の生涯は、まさに「駆け抜ける嵐」そのものでした。彼の見た夢の果て、オケアノスの彼方には何があったのでしょうか。
若き覇王の誕生
アリストテレスの教え
マケドニア王フィリッポス2世の息子として生まれた彼は、幼少期より最高の教育を受けました。家庭教師として招かれたのは、あの古代ギリシャ最大の哲学者アリストテレスです。彼から論理学、医学、文学などあらゆる学問を学び、王としての教養と広い視野を身につけました。枕元には常にホメロスの『イリアス』を置いていたと言われています。
ブケファロスとの出会い
ある日、誰も乗りこなせない暴れ馬が宮廷に連れてこられました。少年だったアレキサンダーは、馬が自分の影に怯えていることを見抜き、馬の頭を太陽の方へ向けさせることで大人しくさせました。この馬こそが、後の愛馬ブケファロスです。父王は「息子よ、自分の王国を探すがよい。マケドニアはお前には狭すぎる」と嘆賞したと伝えられています。
東方遠征の伝説
ゴルディアスの結び目
東方遠征の途中、彼はフリュギアの地で「誰も解けなかった結び目(ゴルディアスの結び目)」に挑みます。「これを解いた者がアジアの王になる」という伝説がありましたが、アレキサンダーは剣を抜き、一刀両断にその結び目を断ち切りました。「運命は自分の手で切り開く」という彼の覇気を示す有名なエピソードです。
王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
彼に従う兵士たち(ヘタイロイ)との絆は絶対的でした。ガウガメラの戦いなど数々の決戦において、彼は常に陣頭に立ち、兵士たちと同じ食事をとり、同じ危険を冒しました。そのカリスマ性は敵国ペルシアの王族さえも魅了し、征服された人々も彼を「王の中の王」として崇めました。
イスカンダルとしての顔
豪快な征服王
『Fate/Zero』においてライダーとして召喚されたイスカンダルは、巨漢で豪放磊落な性格として描かれ、絶大な人気を博しました。彼の宝具「王の軍勢」は、死してなお彼に付き従う臣下たちを召喚するもので、王と臣下の絆の究極形を表現しています。
ヘレニズム文化
彼がもたらした最大の功績は、ギリシャ文化とオリエント文化の融合、すなわちヘレニズム文化の創出です。彼の死後も、その影響は仏像の顔立ち(ガンダーラ美術)などに残り、世界の歴史を永久に変えてしまいました。
まとめ
「夢の終わり」を見ることなく散ったアレキサンダーの野望は、今もなお多くの人、冒険者たちを彼方へと駆り立てています。彼は単なる征服者ではなく、世界を一つにするという壮大なビジョンを持った夢想家でもあったのです。