アンデスの山々で語り継がれる創造主ビラコチャ。「海の泡」を意味する名の彼は、世界を作り、破壊し、また作り直した末に、太平洋の彼方へ去っていったとされます。
ビラコチャとはどのような神か?
ビラコチャはインカ以前の古代アンデス文明から信仰されていた普遍的な創造神です。チチカカ湖から現れ、太陽や月、星を作り、石から巨人や人間を作りました。彼は杖を持ち、涙を流す太陽の門の神(ティアワナコ遺跡)としても知られます。
神話での伝説とエピソード
失敗作の巨人
最初に作った人間(巨人)たちが無知で不敬だったため、怒ったビラコチャは大洪水を起こして彼らを滅ぼし、あるいは石に変えてしまいました。現在の人間はその後に作られた第二世代です。
帰還伝説
彼は仕事を終えると、外套を広げて船にし、海の上を歩いて西へ去っていきました。いつか帰ってくるという伝説が、後にスペイン人の侵略者(ピサロ)を「帰ってきたビラコチャ」と誤認させ、インカ滅亡の一因になったという説は有名です。
ティアワナコの石像
ボリビアのティアワナコ遺跡にある有名な「太陽の門」には、両手に杖を持った神の姿が彫刻されています。これがビラコチャ(あるいはその原型となった神)であると言われています。彼は涙を流しており、これは雨をもたらす慈悲の象徴、あるいは日照りに対する憂いの表現であると解釈されています。
現代作品での登場・影響
コン・ティキ号
探検家ヘイエルダールは、ビラコチャ伝説に基づき、南米からポリネシアへの航海が可能であることを証明するために「コン・ティキ号」で漂流実験を行いました。
FFシリーズ
敵キャラクターとして登場することがありますが、神話の壮大さに比べると控えめな扱いが多いです。
【考察】その強さと本質
文明の伝播者
各地を旅して、農業や技術を教え、秩序をもたらした「法と文明の神」であり、典型的な文化英雄の性格を持っています。
まとめ
水平線の彼方へ消えた白い神。アンデスの人々は、いつか彼が再び現れ、世界を正してくれるのを待ち望んでいたのかもしれません。